2007年07月21日
『カット』 by スリッツ("Cut" by The Slits)
このシリーズで前に紹介したスプリームス(The Supremes)が、1960年代を代表する女性グループだとしたら、パンク(Punk)以降の音楽を代表する女性グループが、このスリッツ(The Slits)。勿論、一般的な知名度とかはスプリームス(The Supremes)に遥かに劣ってしまうけれども、その衝撃性とか彼らの立ち位置とかは、"女性"というこの形容句が必要なのだろうか?という程に、オリジナリティーに満ちている。
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2007年06月23日
"Love Child" by Diana Ross And The Supremes
もちろん、「恋はあせらず(You Can't Hurry Love)」や「ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ (Stop! In The Name Of Love)」は大好きだけれども、なぜだか個人的にはスプリームス(The Supremes)のベスト・チューンは、このアルバムの表題曲「ラブ・チャイルド(Love Child)」という事になっています。
それは何故かと言うと、あの曲のオープニング、イントロから唄が入るまでのぐんぐんと高みに持って行く高揚感が好きだからなんです。
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2007年05月26日
"Down by the Jetty" by Dr.Feelgod
洗練からも程遠く、だからと言って粗野でもない。
ひとことで云えば、不器用。これしか出来ない。
だからこそ、潔い。これを演るしかないんだ、と。
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2007年04月28日
"The Fillmore Concerts" by The Allman Brothers Band
と、いうわけで、いつもの様に稚拙な、模写とも言えない様な悪戯描きが右横に掲載されているわけだけれども、タイトルに掲げられているアーティスト名と作品名を見比べて、違和感を感じている方も多々いらっしゃる事でしょう。
本作品は、この作品がオリジナルな形態で発表されてから、20周年が経過した事を記念して発表されたものです。
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2007年03月24日
『イヴェント '76』 by アレア(Event '76 by Area)
ジャケットは、ボリス・カーロフ(Boris Karloff)主演の映画『フランケンシュタイン(Frankenstein)』の一挿話から。
少女と邂逅した"怪物(The Monster)"がほんの一瞬の癒しを得るシーンで、この後に二人の遭遇は悲劇的色彩を帯びる訳だけれども、ここでは"怪物(The Monster)"は、その意味を訝しがりながらも少女から手渡された一輪の花を手にし、少女の顔には笑みが浮んでいる。
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2007年02月25日
ライヴ・フロム・サウンドスケープ by サン・ラ・アーケストラ(Live from Soundscape by Sun Ra Arkestra)
サン・ラ(Sun Ra)という人物がナニモノであり、彼が率いるアーケストラ(his Arkestra)がナンなのかを語る前に、先ずはこれを聴いてもらいたい。
ハル・ウィルナー(Hal Willner)のプロデュースによる一連のトリビュート企画の第4作『Stay Awake: Various Interpretations of Music from Vintage Disney Films』 に収録されている「Pink Elephants On Parade」。
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2007年01月27日
カレイド・スコープ by スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Kaleidoscope by Siouxsie and the Banshees)
彼らにとってのニ度目のデヴュー・アルバムと言ってよい1980年発表の通算第三作。
彼らを知るヒトから観れば、代表作は絶対にこれではないと怒られそう、っつーか絶対に怒られるに決まっているのだけれども、仕様がない。第一にこの投稿記事シリーズの原則である、ポートレイトを素材にしたジャケット作品が限られている。そして、やっぱり個人的には愛おしい作品だったりするんです。
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2006年12月23日
"FIRE" by OHIO PLAYERS
何も言わなくても、ジャケットを観ればどんな音楽なのかすぐに分かってしまう、そういう秀逸なジャケットの見本の様な作品です。
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2006年11月30日
グガン:イントロデューシング・タケオ・モリヤマ by 山下洋輔トリオとブラス12
山下洋輔の良き聴き手とは断言出来ないし、まぁ、もともと断言する必要はないと思うのだけれども、それよりは、山下洋輔の良き読み手かもしれないという、奢った邪な考えは時折、頭の中を掠めるのだ。
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2006年10月29日
"Homebrew" by Neneh Cherry
作品の完成度で言えば本作『Homebrew』ではなくて次作『Man
』かもしれないし、一番好きな彼女はやっぱりリップ、リグ&パニック(Rip Rig + Panic)で最初に出会った時かもしれない。でも、あえてこの作品を推すのは、いつもの様にジャケットのせいです。
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2006年09月30日
"DREAD BEAT AN' BLOOD" by LINTON KWESI JOHNSON
いつもの様にジャケットを観る。
警察官が見守る中、手前に並んでいるであろう群集に向って、トラメガで話しかけている黒人男性がいる。
彼は何を語っているのであろうか? 否、その内容よりも気になるのは、その黒人男性のうちひしがれた様な表情である。
彼は群集を煽り熱くアジテーションしている様にも見受けられないし、その逆に、体制側(≒白人側)に与したアンクル・トム(Uncle Tom)にも観えない。群集にも体制にも受け入れられない孤独をこの写真に感じるのは、僕だけだろうか?
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2006年08月25日
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン(HELEN MERRILL)
ヘレン・メリル(HELEN MERRILL)御本人はこのジャケット写真大ッ嫌いだそうだけれども、そりゃそうだよね。当時25才の女性的には、この眉間に皺が寄った顔のアップはちょっと耐えられないかも? それに彼女のヴォーカル・スタイルはホーン・ライクという表現が使われる程。クールで知的(悪く言えば情感不足)な唱法で、ひと呼んで「ニューヨークの溜息」。ちょっと意趣ちがいかもしれません。
勿論、ジャズ・ヴォーカルのジャケットという文脈では、美しい構図である事には間違いがありません。手前に配したヴォーカル・マイクに副ってスクエアにレイアウトされたシンガーの名前と収録楽曲のコンポジションは素直に端正であると言いたい。
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2006年08月02日
『ドリーミング』 by ケイト‐ブッシュ(THE DREAMING by KATE BUSH) side B
このジャケットのモチーフになった"With a kiss I'd pass the key..."「くちづけで鍵を渡す」、これは、アルバム収録曲「ハウディニ(Houdini)」の歌詞の一節です。
ちなみに「ハウディニ(Houdini)」とは、20世紀初頭に活躍した奇術師の名前。一般的にはフーディーニ(Houdini)と日本語表記される。誤訳というには大袈裟だけれども、まぁ、そういう事です。
縄抜けとか脱出術とか今で言うイリュージョンの魁けとなったヒトで、先代の引田天功みたいなヒトです。そして、その生涯は『魔術の恋(Houdini)』(1953年発表)として映画化もされています。おまけに、フーディーニ(Houdini)というラップ・グループや、シアトルのオルタナティブロック‐バンド、メルビンズ(Melvins)の作品にも『フーディーニ(Houdini)』がありました。つまり、一奇術師という枠を超えて、その生涯や行動がロック以降の世代にもクリエイティヴな影響を与え続けている方と言えます。
また、このハウディニ(Houdini)、もといフーディーニ(Houdini)は、己の死を賭して、「死後の世界」を証明しようとしました。「ハリー・フーディーニの暗号」と知られるそのエピソードは説明すると長くなるから詳細はこちらを御覧下さい。
そして、勿論、フーディーニ(Houdini)もとい「ハウディニ(Houdini)」という曲は、彼の生涯とその死後のエピソード「ハリー・フーディーニの暗号」にインスパイアされた作品です。詳しくはこちらの歌詞(オリジナル / 訳詞)を御覧下さい。
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2006年07月31日
『ドリーミング』 by ケイト‐ブッシュ(THE DREAMING by KATE BUSH) side A
今回も、謎めいたジャケットの話から。
一見、女性シンガーならではの本人をフィーチャーしたポートレイト風の写真ながら、アルバム‐タイトルの「夢」は「夢」でも、「白日夢(daydream)」ならぬ「悪夢(nightmare)」的な様相を、それは呈している。
アルバムを手に取ってひっくり返して裏ジャケットを観てみると、アーティスト名と収録楽曲名に混じって、"With a kiss I'd pass the key..."。「くちづけで鍵を渡す」そう言われてまたアルバムをひっくら返すと、正装した(?)男性の頭を鷲掴みにした女性の口の中には、金色に鈍く輝く鍵がある。
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2006年07月02日
『オート・ダ・フェ』 by SPK(Auto Da Fe by SPK)
精神病患者とその看護師が結成した音楽ユニットと書くと、どういうものを想像するのだろうか?そして、一体、彼らはどんな音楽を奏でると想像するのだろうか?
勿論、その音楽は万人向けのものでもないし、だからと言って精神病治療の一環として行われた医療行為でもない。
だろう、恐らく。
どちらかと言えば、その精神病者の観るひずんだ夢やゆがんだ視野を、さらに拡大して肥大化させるものと、一般の音楽リスナーは思うだろう(余談だけれども、「ひずんだ」も「ゆがんだ」も「歪んだ」って書くんですね)。
でも、メロディ・リズム・ハーモニーといった音楽の三要素の箍をとっぱらい、ただ只管に大音量の音響に身を委ねている事のキモチよさも忘れる事は出来ない。
だから、無自覚にあなたに勧める事はしないけれども、僕は好きですと、ここでは書いておく。
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2006年05月28日
『スティーブン・スティルス マナサス 』 by スティーブン・スティルス マナサス(STEPHEN STILLS MANASSAS)
このバンドを知ったのは、ある映像作品の発売発表記者会見での視聴会での事。60年代〜70年代の伝説的なロック番組『BEAT-CLUB』の復刻。しかもレーザー・ディスクでの復刻っていうから、これもまた随分昔々の話であります。
VJはピーター・バラカンで、復刻発売される演奏の中から、チョイスして観せてくれたものの中のひとつがこのバンドっていう訳です。ジェイミー・ミューア(Jamie Muir)在籍時のキング・クリムゾン(King Crimson)による「太陽と戦慄 パート1(Larks' Tongues in Aspic part one)」のスタジオ・ライブとか、第二期ジェフ・べック・グループ(Jeff Beck Group II)による「デフィニットリー・メイビー(Definitely Maybe)」等、えぇっこんな映像アリなの?てな貴重な演奏に混じっての紹介の中での登場だったから、凄く印象に残ったのでした。
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2006年04月26日
『ファイヴ・ライヴ ヤードバーズ』 by ヤードバーズ(Five Live Yardbirds by Yardbirds)
所謂三大ギタリストを輩出したヤードバーズ(Yardbirds)のファースト・アルバムにしてマーキー・クラブ(the Marquee Club)でのライブ・レコーディング・アルバム(当時の雰囲気をプンプン漂わせた言い廻しをすれば実況録音盤)。
ギタリストは勿論、エリック・クラプトン(Eric Clapton)です。
註:一応、ちゃんと説明しておくと、三大ギタリストとは、本作参加のエリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジェフ・ベック(Jeff Beck)、そしてジミー・ペイジ(Jimmy Page)の三人。この三人があい前後して参加したバンドが今回の主役、ヤードバーズ(Yardbirds)なんです。
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2006年03月30日
『スラップ・ハッピー』 by スラップ・ハッピー(Slapp Happy by Slapp Happy)
一介の中古レコード店から全世界を網羅するレコードショップ・チェーンと巨大レコード・レーベルを起こしてワールドワイドな成功を手中にしたかと思ったとたんに航空業界に参入し、今やその肩書はナイト(Knight)の称号をもつ冒険家で..という根っからのヒッピー根性を相変わらず大爆発させているのが、Virgin Groupのサー・リチャード・ブランソン(Sir. Richard Branson)。その彼のそもそもの出発点となったレコード・レーベル、ヴァージン(Virgin Label)の創世記を語る作品である。
レーベルの最初期に大ヒットを記録したのが、映画『エクソシスト(THE EXORCIST)』に起用されたマイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)のアルバム『チューブラー・ベルズ(Tubular Bells)』(1973年発表)なのだけれども、最初のシングル・ヒットはここで紹介する スラップ・ハッピー(Slapp Happy)の本作からのシングル・カット曲「カサブランカ・ムーン(Casablanca Moon)」。
タンゴ(tango)のリズムに哀愁のヴァイオリンが奏でる調べ、コケティッシュな女性ヴォーカルをフィーチュアしたその曲は、1970年代前半にはプログレッシブ・ロック(progressive rock)を、その後半にはパンク(punk)を、1980年代にはニュー・ウェイヴ(new wave)をと、時代時代の最先鋭のアーティスト/作品を送りだした同レーベルとは思えない程の、ノスタルジックでアナクロニズムに満ちた、良質なポップ作品である。
但し、それはあくまでも観た目に限っての話。
1974年発表年当時のヴァージン(Virgin Label)レーベルロゴ(図版:左イラスト及びデザインはロジャー・ディーン / Roger Dean)と、現在のヴァージン(Virgin Label)レーベルロゴ(図版:右)。
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2006年02月27日
『恋の自己顕示欲(プロパガンダ)』 by スパークス(PROPAGANDA by SPARKS)
1980年代の時代閉息感に満ちているが故に、新しい音楽やカルチャーを胎動させた西ベルリンの事を書く前に、1970年代 ロンドンのゴージャスなポップカルチャーを演出した音楽作品の事を書く(だから、西ベルリンは宿題とさせて頂きます)。
先ずは、いつもの様に、奇妙なジャケットの話から。
猿轡を噛まされ手足を縛られた男が二人、モーターボートに投げ込まれていずこかへ連れ去られる...という、全くもって不可解極まりないセンスを大爆発させているのが、本編の主人公、スパークス(SPARKS)である。そして、正に誘拐?されつつあるジャケットの二人、これがその中心人物、というよりもほぼ等号で結ばれるのがメイル兄弟。下の写真、左側が弟のラッセル・メイル(Russell Mael)、右側が兄のロン・メイル(Ron Mael)である。
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2006年01月29日
『ファーストボーン・イズ・デッド』 by ニック・ケイヴ & ザ・バッド・シーズ(THE FIRSTBORN IS DEAD by NICK CAVE & THE BAD SEEDS)
「女の唄なんか歌ってたまるもんか」と内心で思いながらも、結局はライブの最終曲として”女の唄”すなわち、「From Her To Eternity(タイトル自体は邦題『地上(ここ)より永遠(とわ)に』として知られている映画『From Here To Eternity』のパロディ)」を歌わざるをえない男、それがこの男、ニック・ケイヴ(NICK CAVE)である。
と、言うのは、真実かどうか、俺は知らない。
これは、地上に舞い降りた堕天使と、職を失った地上の天使=空中ブランコ乗りが出会う奇跡を描いた映画、その映画のクライマックス・シーンで演じたニック・ケイヴ(NICK CAVE)の役回りなのだから。
ちなみに、その映画、『ベルリン・天使の詩(ヴィム・ベンダース/Wim Wenders監督作品)』と言う。
しかし、ニック・ケイヴ(NICK CAVE)と彼が率いるバンド、ザ・バッド・シーズ(THE BAD SEEDS)は、それだけの役回りで出演しているのではない。映画の舞台装置である西ベルリンを象徴するサウンドとして、彼等と彼等の周囲のアーティスト達の音楽が随所に使用されているのだ。
と、いうよりも西ベルリンが生み出した「うた」と「音楽」が彼等なのだ。
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