conceived and constructed by たいとしはる tai toshiharu
« 不定点観測 | メイン | rikki don't lose that number / holidays in the sun »

2007年01月27日

カレイド・スコープ by スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Kaleidoscope by Siouxsie and the Banshees)


彼らにとってのニ度目のデヴュー・アルバムと言ってよい1980年発表の通算第三作。

彼らを知るヒトから観れば、代表作は絶対にこれではないと怒られそう、っつーか絶対に怒られるに決まっているのだけれども、仕様がない。第一にこの投稿記事シリーズの原則である、ポートレイトを素材にしたジャケット作品が限られている。そして、やっぱり個人的には愛おしい作品だったりするんです。

簡単にざっとおさらいしてみると、セックス・ピストルズ(The Sex Pistols)の親衛隊から派生したこのバンドが、シングル・ヒット「ホンコン・ガーデン(Hong Kong Garden)」でデヴューしたのが、1978年。シンガーのスージー・スー(Siouxsie Sioux)のヴィジュアルと、独特のどろっとしたポップ・センスで当時のパンク・シーンの牽引者的な存在となってデヴュー・アルバム『The Scream』(1978年)を発表する。
翌年発表の、続くセカンド・アルバム『Join Hands』では、絶望的な程の、ネガティヴな心情を叩き付けた世界認識を提示する。と、同時にその重圧に耐えかねたのか?ジョン・マッケイ(John McKey:g)とケニー・モリス(Kenny Morris:dr)が脱退してしまう。
と、いうお先真っ暗な状況の中で、新メンバーのバッジー(Budgie:dr)を加えてオリジナル・メンバーのスージー・スー(Siouxsie Sioux)とスティーヴ・セヴェリン(Steven Severin:b)の三人によって制作されたのが、本作品というわけだ。サウンド面を支えるギタリストには、元マガジンMagazine)のジョン・マクガフ(John McGeoch)と旧友で元セックス・ピストルズ(The Sex Pistols)のスティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)を迎えた。そして本作品での成果を経て、ジョン・マクガフ(John McGeoch)は正式メンバーとして加入、後に続く2枚の傑作アルバム『Juju』(1981年発表)と『A Kiss in the Dreamhouse』(1982年発表)をものする訳だけれども、それはまだ先の話。
今回取り上げる『Kaleidoscope』にしばしおつきあい願います。

アイス・クィーン(the Icy Queen)だとかクィーン・オブ・ゴス(The Queen of Goth)と呼ばれる彼女達だけれども、そして、勿論、人間の最奥部や最闇部を照射する音楽性に対する評価としては間違ってはいないのだけれども、その一方でのサイケデリックなポップ感覚を忘れてはいけない。そして、彼らの作品の中で、その両者が極めていびつで、なおかつ、微妙な配剤で両存しているのが本作品なのである。
前作『Join Hands』でみせたネガティブでヘヴィーなアプローチは影を潜めたけれども、それはあくまでも表面的な問題。己の内部と外部との軋轢や違和感を赤裸々に語る詩を読めば、もしかしたら、逆にその表現は深まりこそすれ、後退はしていない。むしろ、二人のギタリストによって彩られる11の楽曲群は、そのカラフルなアプローチによってより巧妙な表現になっているのかもしれない。

個人的な昔話をすれば、精神的に凄まじくアップダウンの激しい時代に聴いていた作品のひとつ、という事。毎週の様に登場する新しい音楽表現と表現に立ち向かわなければならない同世代の人間達を日本の片田舎で眺めやってフラストレーションばかりを溜め込んでいた時代の、BGMのひとつでした。
(状況はあまり変わらないかもしれない...)

なお、この駄文を読んで彼らの作品に興味をもたれた方は、次作の『Juju』もしくは彼らの音楽的なルーツを垣間見る事の出来るカヴァー集『Through the Looking Glass』をお勧めします。

ものづくし (click in the world!)  45.:

『カレイド・スコープ (Kaleidoscope)』

by スージー・アンド・ザ・バンシーズ (Siouxsie and the Banshees)

kaleidoscope.gif

Kaleidoscope
/ Siouxsie and the Banshees
カレイド・スコープ / スージー・アンド・ザ・バンシーズ


HAPPY HOUSE / ハッピー・ハウス
Sioux - vocals.Severin - bass.vocals.Budgie - drums,harmonica,vocals.Mcgeoch - guitar.
TENANT / テナント
Sioux - vocals,acoustic guitar.Severin - electric guitar,electric sitar,rhythm box.Budgie - bass,drums.
TROPHY / トロフィー
Sioux - vocals.Severin - bass. Budgie - drums.Mcgeoch - guitar,ellaphone.
HYBRID / ハイブリッド
Sioux - vocals.Severin - bass.Budgie - drums.Mcgeoch - guitar,sax.
CLOCKFACE / クロックフェイス
Sioux - vocals.Severin - basses,piano.Budgie - drums.Jones - guitar.
LUNER CAMEL / ルナー・キャメル
Sioux - vocals,droma - derian,finger cymbals.Severin - bass,rhythm box.
CHRISTINE / クリスティーヌ
Sioux - vocals.Severin - bass.Budgie - drums.Mcgeoch - 6 + 12 string guitars.fowfisa.
DESSERT KISSES / デザート・キッス
Sioux - vocals.Severin - bass.Budgie - drums.Mcgeoch - guitar,sitar,string synth.The Sirens - backing vocals.
RED LIGHT / レッド・ライト
Sioux - vocals,camera.Severin - synthesizers,rhythm box.Budgie - drums.
PARADISE PLACE / パラダイス・プレース
Sioux - vocals,rhythm guitar.Severin - bass.Budgie - drums.Jones - lead guitar.
SKIN / スキン
Sioux - vocals,melodica.Severin - bass."the force".Budgie - drumsdrumsdrums.Jones - guitar.

All songs written by Sioux / Severin - except TROPHY(written by Sioux / Severin / McGeoch)
Produced by Nigel Grey and Siouxsie and the Banshees.
Recorded at Surrey Sound, The Coach House and Polydor January-May 1980
Information: Billy Houlston, c.o Siouxsie and the Banshees "File", 1 Carthusian St., London EC1
Art Direction: Rob O'Connor Sleeve Photography: Joe Lyons Illustrations: Rose Harrison

(P)1980 Polydor Ltd(UK).(c)1980
Polydor Ltd(UK).
John McGeoch and Steve Jones are exclusive Virgin Records recording artists and appear coutesy of Virgin Records.
lyrics reproduced by kind permission of Pure Noise / Chappell and Pure Noise / Chapell / Virgin ltd.

僕が所有している国内盤LPでは、中川五郎氏が訳詞を『音楽専科』の黒沢美津子氏が解説を担当しています。

posted =oyo= : 12:13 | comment (0) | trackBack (0) | adventures of t.g.chaung

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/603

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)