＜読み＞
たいしょうは　ねっさのはてに　かげろうや　おつるきたいと　あのきみがゆめ

＜意味＞
隊商が熱砂の彼方で陽炎の様にみえるのだろうか。墜ちた機体とわたしのあのひとのみる夢 [と共に]。

＜解説＞
初句「隊商」は、救いとなるのであろうか。それとも、何らかの理由で彼等の許から放逐されたのであろうか。その理解によって、解釈全体が異なる様に思える。
第4句「墜つる機体」は、航空事故によって不時着もしくは大破したモノなのだろうが、作者 [もしくは歌の主人公] がその搭乗員であった可能性と同時に、遥か昔の遺物の可能性も捨てきれない。
単純に謂えば、作者 [もしくは歌の主人公] が自身の心象を第4句「墜つる機体」にみているのだ。
だから、その語句は、期待との掛詞なのかもしれない。
なんとなく、小説『星の王子様 (Le Petit Prince)』 [アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリ (Antoine de Saint-Exupery)) 作 1943年刊行] とそれを原作とする同名映画『星の王子様 (The Little Prince)』 [スタンリー・ドーネン (Stanley Donen) 監督作品 1974年制作] をおもいだす。