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2020年11月26日

覚悟促シテ詠メル

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屹度あを な落の底より みゆるそらも 墜ちなば堕ちよ 肚くくるべきいま

るい詠める

<読み>
きっとあお ならくのそこより みゆるそらも おちなばおちよ はらくくるべきいま

<意味>
きっと [今と同様に] あおいだろう、底辺からみえる空も、 [ここから] 墜ちるのならば堕ちてしまえ、今こそ覚悟するとき [である]。

<解説>
坂口安吾 (Ango Sakaguchi) の評論『堕落論 (Discourse On Decadence)』 [1946年 雑誌『新潮』掲載] だなぁ、と思う。
第3句「墜ちなば堕ちよ」を文法的にみていくと、タ行上二段動詞"墜つ"連用形 + 完了の助動詞"ぬ"未然形 + 順説の仮定条件を表す接続助詞"ば" + タ行上二段動詞"堕つ"命令形となる。よって、その解釈は<意味>の様になるだろう。仮に、タ行上二段動詞"墜つ"已然形の"墜つれ"が用いられて"墜つれなば堕ちよ"となっているのならば、そこでの接続助詞"ば"は、既定条件を表す事になるので、"既に墜ちてしまったのだから [いっその事] 堕ちてしまえ"と解釈すべきだろう。
ところで、その第3句にあるふたつの動詞、"墜つ"と"堕つ"を厳密に解釈すると、"ここから [飛び降りて] 墜ちてしまうのならば、いっその事、堕落してしまえ"と、いう事になるだろうか。猶、ここにあるふたつの動詞は、同じ意味をもつ"落"を用いた熟語、第2句「な落」とも呼応している様だ。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:17 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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