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2018年11月01日

霜月朔日ニ詠メル

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うつむきて ふるふ鋏の くらいおと なにも浮かばぬ なみだでさへも

るい詠める

<読み>
うつむきて ふるうはさみの くらいおと なにもうかばぬ なみだでさえも

<意味>
俯いてつかっている鋏がくらい音をさせている。 なにも [こころに] 浮かばない [思い出はおろか] 涙でさえも。

<解説>
結句にある「さへ」は副助詞で添加の意を顕す。「〜までも」とか「〜まで」と訳す。この歌の場合、あらたに添加される「なみだ」は表されているが、それが添加する本体が省略されている。それ故に、上の<意味>ではことばを補ってみた。
ところで、この歌には、鋏が使用される対象が明示されていない。単純に思い浮かぶのは、失恋とそれとの決別の為にきる髪なのだが、果たして。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:15 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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