conceived and constructed by たいとしはる tai toshiharu
« Haiku : Five Verses In Seven Days, the 61st. week vol. 2 | メイン | X Offender »

2013年06月20日

独リ寝ヲ詠メル

20130620.jpg
独楽よ独楽 踊り果てぬな 閨の中 悶えてあけね 闇と静寂と

るい詠める

<読み>
こまよこま おどりはてぬな ねやのなか もだえてあけね やみとしじまと
<意味>
独楽よ独楽よ、回転を止めてはいけないこの寝室では、悶えながらあけてしまえ、夜の闇と静けさよ。

<解説>
孤閨の寂しさを詠った歌なのであろう、という察しはすぐにつくのだけれども、ぢゃあ、具体的にどおゆう叙景を詠んだ歌かと考えだすと、途端にその解釈が難しくなる。
と、言うのは、ここにある感情は、随分と激しいモノだからだ。
そして、初句に登場する独楽の謎。夜中に独楽回しに勤しんでいるとも思えないから、なんらかの比喩であろうとはすぐに解るのだけれども、それを明から様に指摘するのを、躊躇わせるモノがある。
第2句「果てぬな」は、タ行下二段活用動詞「果つ」連用形に完了の助動詞「ぬ」終止形に、禁止の終助詞「な」。「果ててしまってはいけない」と訳す。
第4句「あけね」は、カ行下二段活用動詞「あく」連用形に完了の助動詞「ぬ」命令形。「あけてしまえ」と訳す。
つまり、この歌には、命令文がふたつもあるのである。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:39 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/1367

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)