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2012年10月11日

風啼キテ詠メル

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吾独り 揺れざるビルも あらばこそ 馬肥ゆるもとに 一陣の風

るい詠める

<読み>
われひとり ゆれざるびるも あらばこそ うまこゆるもとに いちじんのかぜ

<意味>
[風どころでは] 揺れないビルもあるからこそ、天高く馬肥ゆると言われる秋の空の下に、一陣の風が吹く。その場にいるのはわたし独り。

<解説>
実際の天候の有様に関わらず、高層建築が立ち並ぶ場所では、時折、激しい突風が拭く。ビル風と呼ばれるモノである。それは季節の移り変わりとは無縁のモノだけれども、それ故に逆にその風は、季節季節に顕われる感情の機微を増幅させる場合がある。
ここでは「天高く馬肥ゆる秋 (Autumn with the sky clear and blue, and horses growing stout.)」という、この季節の豊穣を物語る慣用句が、それとは無縁の孤独を言い表すモノへとニュアンスを変えて、詠われている。

(この項:たい)

posted =oyo= : 23:19 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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