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2010年10月15日

『へんしん』ヲ詠メル

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夢観てふ うみたる蟲の 蠢きや 微かに震ふ 肢の歪みを

るい詠める

<読み>
ゆめみちょう うみたるむしの うごめきや かすかにふるう あしのゆがみを

<意味>
夢を観ているという。うんでいる蟲が蠢いている様だ。微かに震えているその脚の歪みは。

<解説>
初句の「夢観てふ」は「ゆめみちょう」と読んで、引用・指示・伝聞を表す言い方。ここでは引用の意で把らえてみた。「うみたる」は、「倦む」と「膿む」の掛詞 (Kakekotoba or Pivot Words) の様だが、うまく訳出出来ない。いずれにしろ、歌われている「蟲」が、生よりも死に近いという意味だろうか。
詞書の『へんしん』は、言わずと知れたフランツ・カフカ (Franz Kafka) の『変身 (Die Verwandlung)』。歌作者曰く、グレゴール・ザムザ (Gregor Samsa) は変身したけれども、彼の変身をうけて彼の家族も変心したのだ、と。

(この項:たい)

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