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2008年09月05日

ですくとっぷ這フ蜘蛛見出シテ詠メル

20080904.jpg
来ぬ文の 待つ寂しさを 知る我ら 四肢持て余して 灯観るなり

るい詠める

<読み>
こぬふみの まつさびしさを しるわれら ししもてあまして あかりみるなり

<意味>
来ない筈のメールを待っている寂しさを、わたし達は理解しあっている。(何も手に着かずに)身体を持て余して、モニター画面を観ている。

<解説>
己から発信する際は、つい日常の忙しさにかまけて遅れに遅れるくせに、着信を待つ身となっては、今度はいつくるかいつくるかと、待ちわびて待ちきれないものなのだろうか? そんな所在無さげの心境を、ふと発見した小さい生物と共有する事によって、少しでも軽減したいと、作者は想ったのだろうか?
「四肢持て余して」という四句によって、自ずと、蜘蛛の、黒く細く長い脚をふと想像させて、所在無さげ感がより強調されている様に思える。
また、ここでは「灯り」を詞書に書かれているデスクトップの画面から漏れる明かりと、解してみた。もし、この「灯り」を室内灯や窓の外から漏れる灯りと解釈したら、もう少し、情緒的なニュアンスが強まるだろう。

(この項:たい)

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