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2016年03月31日

マグワフテ後ニ詠メル

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はてぬれば 言の葉ひとつ えもいはず 背中あはせに みる夢ふたつ

るい詠める

<読み>
はてぬれば ことのはひとつ えもいわず せなかあわせに みるゆめふたつ

<意味>
果ててしまったのならば、言葉ひとつを謂う事も出来ない。背中合わせに [眠って] 観る [二人の] 夢はふたつ。

<解説>
第3句「えもいはず」は、文法的に解釈してみれば、副詞「え」 + 強調の系助詞「も」 + ハ行四段動詞「いふ」未然形 + 打ち消しの助動詞「ず」連用形となり、「え」 + 打ち消しの語句で"〜出来ない"と謂う意味を成立させる。だから、ここでの解釈は"謂う事が出来ない"となる。
そして、強調の系助詞「も」がある事から係り結びの法則で、連体形の述語が省略されている訳で、本来ならば、その省略されている述語を補って解釈すべきなのである。
但し、ここで問題がある。
"謂う事が出来ない"は、良い意味にも悪い意味にも解釈する事が可能なのだ。しかも、この歌、どちらの理解も可能な様にも、ぼくには思える。
猶、第2句「ひとつ」と結句「ふたつ」は呼応しているのだろう。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:27 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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