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2012年07月12日

現実逃避シテ詠メル

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ひと日終はり 厨に独り サンドリオン 南瓜抱きて また夢を喰む

るい詠める

<読み>
ひとひおわり くりやにひとり さんどりおん かぼちゃいだきて またゆめをはむ

<意味>
一日が終って、厨房に独りサンドリオンがいる。かぼちゃをかかえてまた夢を貪っている。

<解説>
歌のモチーフになっているのは、第3句に顕われるサンドリオン (Cendrillon)。仏語圏ではシャルル・ペロー (Charles Perrault) の『サンドリオン (Cendrillon ou la petite pantoufle de verre)』、独語圏ではグリム兄弟 (Bruder Grimm) による『アッシェンプッテル (Aschenputtel)』が一般的である。と、意味もなく勿体ぶって書いたけれども、要は、『シンデレラ (Cinderella)』の物語。ディズニー (Disney) 版の映画『シンデレラ (Cinderella)』 ウィルフレッド・ジャクソン (Clyde Geronimi)、ハミルトン・ラスク (Hamilton Luske)、クライド・ジェロニミ (Wilfred Jackson) 監督作品 1950年制作] で、洗練され様式化された、あの物語である。
注目すべきは結句の表現で、最期にハッピー・エンドで締めくくられるこの物語を一介の夢と定義して、実際のサンドリオン (Cendrillon) [達] は ...、というニュアンスにしている点。
なお、上句に何度も登場する「り」の響きが、ある韻律を産もうとしている。

(この項:たい)

posted =oyo= : 23:12 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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