ミュージカル「パーフェクトファミリー!?」

CDライナーノーツ お・ま・け

荒巻 正
ん〜おまけっ
いちばん南のフレンズ・奄美大島の「泣き虫倶楽部」秘話

れは春休みの出逢いから始まった いもーれ海賊船の旅
乗船権は得たものの あぁ獲たものの 摩訶不思議謡踊に科白???
だって ミュージカルなんて観たことないんだっちば!!!
だから素敵なんじゃないか はげ〜ありがっさまりょうた
初めてつっちーを見たときの君らったら・・・まなこは三角 くちはオの口
「外人!? 外人? 外人! 外人!? 何処の国から来たっちば?」
「男?女? 男?女?・・・男!!!」 実にチャーミングな田舎っぺ
(ちなみに奄美初の金髪ロンゲ・ビジュアル・ロッカー上陸だったわけ?)
そんなコントを生身で演じるように愉快で 愛くるしい奄美キッズが
僕らが心を尽くしたプレゼントを胸に抱いて
みんなで見据えた 最初で最後 02.7.28(sun)

うしたって忘れない しみる青空
入道雲が優しくて 風も健気に あれぞ奇跡日和
劇場の前は 一万人広場という目にも眩しい一面の芝 酸素さん吸
空と海と大地と奄美文化センターと奄美パーフェクト・ファミリーと

ぁ 余すところなく時を刻まなければ 幸福と残酷の二律背反
どうだ 舞台と客席がまさにダイレクトに歓びと驚異と感動を共有して揺れた
天使たちが心を繋ぎあって 思い出しても苦しくなるような笑顔で泣いた
劇場ごと宇宙たかく打ち上げられたかのように
幸せって 瞬間におとずれるものなんだと今更悟った

かし 次を刻むために時は無表情にそこにいた
愛し 愛しんだ僕らの 奇跡の日は別れの日
終演後の舞台裏 泣く・・泣く・・・ 無くなることに
無を突き破ってしまいそうな さ・み・し・さ
時間を止めたいという願いを 瞬間芸術の気位は許してはくれない
彼らは泣き叫ぶことによって 消えてしまう時に抵抗した
涙に潤んだひとことが 今も耳の奥を陣取っている
「せんせ もう一回でいいから みんなと舞台で踊ってもいい」
「・・・もうだめだよ スタッフさんが片づけをはじめてる」

朝 別れ雨に言葉さえ奪われて空港へ
が 近づくほどに 何故か空は機嫌をとりもどしてゆく
奄美の神の企みか お伽の国の誰かの仕業か
果たしてそこに まちぶせていたのだ 天使たちが
抱きしめたかった 嬉しかった たまらなく嬉しかった
あんなに優しい気持ちが 人の中には眠っていたんだ
そして そして そしてあの あのあのメロディ
真心いっぱい シュプレヒコール こらえてこらえて

「ほんとはもっと心をこめて言いたいんだ ありがとう」

・・・離陸が迫る
どうにか顔を伏せたまま機内に乗り込むと
小窓にヒロガル いったい何事
屋外の送迎デッキに踊る群れ 一心不乱 歌声までも聞こえる まさか
奄美大島パーフェクト・ファミリー もうこれで もうこれで
もはや噛み殺すこともできなかった 嗚咽 いや号泣
悲しいんじゃない 感激で感動で嬉しくて嬉しくて嬉しくて透けた

下 透氏 曰く
「どんな王様だって あんな見送りをされたことはないですよねっ」
それも あなたの曲でだ なんという幸せ者というエピソード
クールなクールな高橋由美子嬢も鼻を真っ赤にすることだろう
あぁ幸せ

奇跡の日は別れの日実行委員会主催「泣き虫倶楽部」
・・・涙腺直結型感激屋の集い ゴールド会員急増中!
会長 荒巻 正

☆本編はミュージカル「パーフェクトファミリー!?」オリジナルサウンドトラックスCDに掲載

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